Vol.10 プッチーニ原作 「トゥーランドット」

本報告書は2008 8/2.3 「横浜ビジネスパーク ベリーニの丘 水のホール」で行われましたトゥーランドット実行委員会主催のエデュケーションプログラムVol.10「トゥーランドット」の報告書です。以下にその詳細を記し、今後の参考、指針にして頂ければ幸いです。

横浜市高校演劇連盟の夏の企画として前事務局長吉倉先生より依頼があり、2003年7月、2日に渡るワークショップを経て、2004年、第1回目としてBAKArt1929馬車道ホール、2005年2回目として神奈川県立横浜桜陽高校内大階段、2007年3回目プレ公演を神奈川県立横浜平沼高校小ホール、本公演を第1回横浜フリンジフェスティバル参加作品としてBaysideコンテナ劇場に於きまして実現に至りました。本年は野村不動産(株)が所有・運営されている「横浜ビジネスパーク ベリーニの丘 水のホール」での公演を実施いたしました。

横浜ビジネスパーク ベリーニの丘 水のホール(〒240-0005 横浜市保土ケ谷区神戸町134 TEL 045-336-5900)

本公演
8/2
18:30
観客動員数125名
8/3
18:30
観客動員数160名
計285名

主催

トゥーランドット実行委員会

   
共催 シアターマトリックスカンパニー
   
後援 横浜市高校演劇連盟
  神奈川県教育委員会
  横浜市教育委員会
  財団法人 横浜市芸術文化財団
   
協力 横浜創造界隈ZAIM
  横浜ふね劇場をつくる会
   
助成 地域芸術文化活動支援事業補助金(通称:アスハマ)支援事業
   
演出 田辺久弥(ルームルーデンス)
照明 三國創
音響 笠原玄也(H2sound)
腰鼓指導 温悠
   
スタッフ 植田彌
  江頭麻美
  黒澤笙子
  佐藤瑞希
  高島諒太郎
  拓植希
  武岡宏樹
  鶴見冬馬
  西沢夏子
  西山粋
協力 東享司(スタジオソルト)
  リアルマッスル泉(ルームルーデンス)
   
THANKS 神奈川県立桜陽高等学校様
  川崎美穂様
  am/pm 横浜ビジネスパーク店様
  いこい堂様
  五十貝商店様
  岩間市民プラザ様
  横浜市緑図書館様
  東戸塚地区センター様
  京浜鮮魚様
  青木商店様
  県立音楽堂様
  早稲田大学舞台美術研究会様
  県立光陵高等学校様
  珈琲工房Beansつるみ様
  葉鳳英様
  和田修様
  笠原勝二様
  和ふ庵 松原商店街店様
  相鉄本多劇場様
  湘南台駅様
  保土ヶ谷区役所様
  野村不動産様
  (有)鈴木商店様
  花うさ様
  美容室 one's hair様
  白山地区センター様
  和田町商店街ふれあい掲示板様
  ロマン寝装店様
  中央図書館様
  保土ヶ谷公会堂様
  金沢郵便局様
  天王町サティ様
  金沢地区センター様
  市立南高等学校様
  TYプロモーション様
  宮崎形成外科・皮膚科様
  花キューピット巻島生花店様
  作業服 ワークショップ トーサク様
  中山地区センター様
  長津田地区センター様
  ファミリーマート天王町店様
  ヤマハ音楽教室様
  お米・食料品 小塚屋様
  とんかつ きたみ様
  栗原園茶鋪様
  ふれあい接骨院様
  十日市場地区センター様
  西谷地区センター様
  相川商店様
  松下靴店様
  県立図書館様
  保土ヶ谷図書館様
  金沢区役所様
  横浜・創造界隈ZAIM様
  金沢図書館様
  和楽様
   
提灯 どや!!? 天王町店様
  Life Style Shop nook様
  酒の青木様
  天王町整体院様
  激安パソコン教室
  キュリオスステーション天王町店様
  萬菜様

名を秘めた王子 高橋和久(プロ)
トゥーランドット 磯辺みなみ(2005年参加者)
皇帝アルテゥム 佐々木崇人(2007年エデュケーション=サロメ参加者)
ティムール 丹下一(プロ)
リュー 田中夢実
ピン 三森伸子(2007年参加者)
ポン 中村美香子
パン 折笠瑞季
ペルシャの王子 福永彩人
役人 村田遊楽
群衆 石井大海(2007年参加者)
  足立理英子
  西垣内日向子(2007年エデュケーション=サロメ参加者)
  松本あや
  太田舞
  相澤真梨
  田中智之
  神村健太郎
  日當乃愛
  折笠紫織
  柿澤亜友美(プロ)

古代中国、北京。世にも美しいトゥーランドット姫は、「姫に求婚するものは3つの謎に答えなければならない。誤れば首を斬られる」というおふれをだし、多くの国々の王子達が謎に挑んでは殺された。

ペルシャの王子が処刑される日、戦乱で離れ離れになっていた、タタールの老王と王子カラフがめぐり合った。喜びもつかの間、カラフはトゥーランドットの姿に心を奪われ、3人の大臣ピン・パン・ポンや、止める父と女奴隷リューを振り切って、ドラを鳴らし謎に挑む宣言をする。皇帝の前で、カラフはトゥーランドットの出す謎を次々と解き、北京の民衆はカラフの勇気をたたえる。動揺し、かたくなにカラフを拒むトゥーランドットに、カラフは「今度は私がひとつだけ謎を出そう。明日の朝までに私の名が分かったら、私は死ぬ」と約束する。

舞台写真

昨年第3回公演の終了が横浜フリンジフェスティバルに併せたため10/30.31となり、次回公演までこの時点で残り9ヶ月でスタートしました。

まず毎月最終金曜の夜にトゥーランドット実行委員会を開き、今回以降の体制を決めました。主催は過去の出演者のみで構成されている「トゥーランドット実行委員会」が行うこととし、会場の候補地、出演者募集の方法、ウェブ等の告知方法などを話し合っていきました。それぞれのミーティング中にZAIMの福富様やアートコミッション・ヨコハマの杉崎様等に御助言を頂き本年4月に候補地として野村不動産(株)が所有・運営をされている「横浜ビジネスパーク ベリーニの丘 水のホール」に絞り、交渉に入りました。当月末に野村不動産様から了解の意志をいただき、同じく財団法人横浜市芸術文化振興財団の新しい助成金制度:地域芸術文化活動支援事業補助金」(愛称:「アスハマ」)の採択が決まり場所・資金共に目処が立ち正式にスタートしました。

しかし昨年度からの出演者減少の流れは止められず、そのために5月中旬から2週間に1度無料でのワークショップを開いた結果、学生18名、プロ3名、計21名の出演者が決まりました。

群衆劇の中心である「群衆」が昨年と違い10人ほど確保できる利点はあるのですが会場である「横浜ビジネスパーク ベリーニの丘 水のホール」の大きさは今までのトゥーランドットの会場で一番大きく、昨年より参加者は増えたもののとても対抗できる人数ではないことに代わりはなく、本稽古に入る前にいかに人数を増やすかがトゥーランドット実行委員会での議題の中心でした。それと同時に人数以外で巨大な空間に拮抗する方法のうち「打楽器」というアイデアが出て、トゥーランドットの舞台である中国の打楽器の仕様の検討に入りました。

昨年の出演者である江頭麻美さんの紹介で横浜市立みなと総合高校の非常勤講師でらっしゃる温悠先生に中国の民族太鼓「腰鼓」を指導していただくことになり、これで本稽古に入る体制が整いました。

本稽古の内容に関しては、今回稽古日誌が充実しているのでそちらを参考にしてください。出演者全員による82編の稽古日誌は実に臨場感溢れる貴重な記録です。日々かすかですが確実に変化している様が手に取るようにわかります。

http://eturandot.blog116.fc2.com/blog-date-200806.html

エデュケーションプログラムは今回で10回目を迎えますが2003年の第1回の時と比べ学生の気質に変化が感じられます。2年前の東京の高校生とのエデュケーションプログラムの際に認識し始め、昨年の横浜でのトゥーランドットのプレ公演の際にはっきりと意識し、そして今回、その変化は現場に横たわっていました。勿論それは彼彼女の責任ではなく、大人や社会との鏡合わせでそうなるのだと思います。「生きる死ぬの物語」や「共同作業」が目の前にあるのに他者を切って個人の遊びを始めてしまう。本気になるまでかなりの時間がかかるか最後まで本気にならない。これは致命的な気質の変化です。本気になれないのではプロであれアマであれ作品を創りようがありません。

当日の手伝いにも昨年の演者がならび、2005年の出演者、中学生、大学生と流れは大きくなってきましたが、プロが3名も入った公演としてはチームが跳ねるのに時間がかかりすぎました。跳ねた芝居は大変満足のいく物でしたが昨年までは稽古場最終日にこのレベルは出来ていたことを考えれば、専門的なチームビルディングエチュードを入れずに進めるのは限界が来ているのではないか、チームをビルドするためのチームビルディングの時間が事前に必要になるのではないか?他者を理解する速度がこれ以上あがらないと判断すれば上記の変化を稽古に組み入れることを来年の課題にせざるを得なく、それは少々残念な事と捉えています。

トゥーランドット実行委員会 11/30(金) 19:00〜21:00 ZAIM別館1F
  12/28(金) 19:00〜21:00 ZAIM別館1F
  1/25(金) 19:00〜21:00 ZAIM別館1F
  2/29(金) 19:00〜21:00 ZAIM別館1F
  4/4(金) 19:00〜21:00 ZAIM別館1F
  4/25(金) 19:00〜21:00 ZAIM別館1F
  5/30(金) 19:00〜21:00 ZAIM別館1F
  6/27(金) 19:00〜21:00 ZAIM別館1F
       
無料ワークショップ 5/17(土) 13:00〜17:00 ZAIM401
  5/31(土) 13:00〜17:00 ZAIM401
  6/14(土) 13:00〜17:00 ZAIM401
       
オーディション 6/21(土) 10:00〜17:00 ZAIM401
  6/22(日) 10:00〜17:00 ZAIM401
       
本稽古 7/20(日) 10:00〜17:00 ZAIM401
  7/21(月) 10:00〜17:00 ZAIM401
  7/22(火) 10:00〜17:00 ZAIM401
  7/23(水) 10:00〜17:00 ZAIM401
  7/24(木) 10:00〜17:00 岩間市民プラザ
  7/25(金) 10:00〜17:00 ほどがや地域センター
  7/26(土) 10:00〜17:00 横浜桜陽高校
  7/27(日) 10:00〜17:00 横浜桜陽高校
  7/28(月) 10:00〜17:00 ZAIM401
  7/29(火) 10:00〜17:00 ZAIM401
  7/30(水) 10:00〜17:00 ZAIM401
  7/31(木) 10:00〜17:00 ZAIM401
       
仕込み 8/1(金) 10:00〜22:00 ベリーニの丘

「トゥーランドット」の魅力    福富潤子(財団法人横浜市芸術文化振興財団)

「いい階段ありませんか?」
横浜・創造界隈ZAIMで定例ミーティングを行うトゥーランドット実行委員会から、今年の公演会場について相談を受けた。演出上、階段を使用できる野外劇場を探していると言う。ミーティングにオブザーバーとして参加し、「こんな場所」「あんな場所」と思いつくままに場所をあげた。
実行委員のメンバーが海辺のお寺や丘の上の公演など何箇所もロケハンに歩いた結果、ビジネスパークのロケーションに惚れたと返事が来た。
ここからはアーツコミッション・ヨコハマ(略称ACY)の出番である。ACYは、横浜市内で行われる創造活動に対し、制作や公演の会場探し、人材の登録と紹介、助成制度の運営、新規活動拠点開拓など幅広いサポート業務を行っている。トゥーランドット実行委員会からの相談に対し、専任コーディネーターが助成金応募のアドバイスや会場への橋渡しを行った。

参加者のためのワークショップや稽古をZAIMで行うこととなり、メンバーと顔を合わせているうちに、自分も制作に参加しているようなワクワク感が生まれた。何よりメンバーのまなざしが良い。挨拶が良い。きちんとこちらを見て話ができる。人に何かを伝えるということがわかっている若者たちは、芝居の後ろ盾となる基礎力を持っているともいえる。この素晴らしい資質をもつメンバーがいて、さらに資質を引き出す指導者があってこそ、たった12回の稽古で舞台が成り立つのであろう。

迎えた本番、横浜ビジネスパーク・ベリーニの丘は広かった。21名の出演者が、どのように舞台を創り出したのか。鳴らした、走った、叫んだ。響いた、魅せた、木霊した。風に飛ばされたせりふもあったが、気持ちはまっすぐに伝わってきた。
そして、幕が閉じた瞬間から、2009年への歩みが始まった。芝居創りはすでにメンバーの中で動き出している筈だ。自分の役作りだけでなく、制作の仕事、後輩の指導、全体のアンサンブルへの唱和、これが力となり、芝居が深まるもととなる。

来年はより広い会場での上演を志すと聞く。充実した舞台を目指し、まずは口コミでメンバーを増やすことから始めているにちがいない。力を増したメンバーが、どんな「トゥーランドット」を創り出すのか。キャストを卒業したメンバーが、どのようにつながっていくのか。
今年できなかったことが来年にはきっとできる。それがエデュケーションプログラムの魅力だ。彼女ら彼らの次の舞台を楽しみに待っている。

トゥーランドットについて/腰鼓を通じて      横浜市立みなと総合高校 非常勤講師 温悠 

・出会い

私が勤めている横浜市立みなと総合高等学校の食堂で、一人の女子生徒が「トゥーランドット」のポスターを持って私に「先生、太鼓を教えください」と言った。突然の出来事で驚いた。その時期に私は、学校で中国語会話を履修する生徒を中心に中国太鼓“腰鼓(ようこ)”を教えていた。その女子生徒からよくよく話を聞くと、彼女は演劇をやっていて、8月に「トゥーランドット」という野外劇があり、そこで中国の太鼓を使いたいということだった。彼女は昨年その主役を務め、今年はスタッフとして参加すると言う。その後、電話で、演出家の田辺久弥さんとお会いする約束をした。7月上旬、田辺さんと面会しエディケーションプログラムについてお話を伺った。田辺さんと話すうちに、田辺さんに興味を持った。そこで、自分が知らない世界を一度でも経験するのもいいことではないのかと思いお手伝いをしようと決めた。その時は、プロの演出家や俳優の前で素人の私が太鼓の指導をするなんて・・・同時にそんな葛藤もあったが、そんな感情は高校生・大学生たちに腰鼓を教え、懸命に練習する彼女たちをそばでみていたらすぐに消えた。

・腰鼓

稽古が始まり、私は「群衆」たちの腰鼓指導を担当した。手探り状態のまま腰鼓の基礎を「群衆」担当の高校生・大学生たちに教えた。彼女らは腰鼓をやってみると、意外に難しいという顔をした。「そりゃそうだ!3年間やっていた私も太鼓を叩けるようになるのにだいぶ苦労したもん。でも、大丈夫。すぐできる」と話した。私がやりたい振りではなく、彼女らの動きやすい動作を練習中に見つけ、振り付けしようと決めた。そう決めると腰鼓の振りを考えるのが楽しくなってきた。

私が踊る腰鼓の舞は、横浜の大陸系華僑の間で伝わるもので、中国本土で踊る腰鼓の舞とはリズムや動作など様々な点で違う。横浜華僑の腰鼓の舞は、中国本土と比べてとにかく緩やかなリズムなのだ。中国から日本へ伝わる過程で、日本の民間芸能、特に盆踊りなどの影響を受けているかもしれない。今回の「トゥーランドット」は、横浜華僑の腰鼓の舞を基本に、中国現地の人によって現代的にアレンジされた腰鼓の舞を融合させたいと直感的に思った。そのストーリーを軸に、女性の強さとかわいらしさ、男性の逞しさと律々しさにこだわった表現を取り入れた。その上に、踊り手のこれまで生きてきた“様”が自然と出てくればベストだと考えた。

・人として

腰鼓の他にも、「トゥーランドット」の稽古場では多くの気づきと出会いがあった。

@人と向き合うこと・自分と向き合うことの大切さとその難しさを知る。
A目的を持つこと、自分が何を知らないのかを知ること、素直になること

私は稽古場にいてこうしたもの感じた。プロの俳優の方との出会いもあった。丹下一さん、高橋和久さんからは貴重なお話をたくさん聞かせていただいた。彼らのお話やアドバイスのおかげでここまでやってこられたとしみじみ思う。たくさんの感謝の気持ちを伝えたい。

本番まであと1日、稽古は大詰めを迎え、高校生・大学生たちは腰鼓も上手に叩けるようになり、フォーメーションも纏まってきたが、私は、なにか釈然としなかった。その気持ちを彼女らに伝える言葉が全く見つけられず、その違和感は初日を終えた翌日にピークとなった。溢れだしそうな気持ちをなんとかのみ込んで、ベリーニの丘 水のホールの石段で稽古を終えた丹下さんにお願いして話を聞いてもらった。丹下さんは具体的なアドバイスをしてくださった。それから、私は高校生・大学生たちに自分が考える腰鼓の舞の意味を伝えることにした。続けて、10分間の腰鼓の舞のストーリーを話し、どこを一番激しくカッコ良く踊ってほしいのか、力を抜いて踊ってほしいのかなどを話した。すると、彼女らは驚いた表情をした。彼女らが考えていたことは、私とは全く逆のことだったようだ。私はこれまでの稽古で腰鼓の舞のポイントを上手く伝えられていなかったのだ。楽日の彼女らの腰鼓の舞は、勢い・音・動作どれもこれまでより断然良くなった。

・終りに

高校生・大学生の力は本当にすごい。彼女らは日々変わってく。毎日稽古場で彼女らがセリフ一言一言に、魂を吹き込んでいく姿を横でみていて感動した。田辺さんが仰っていた「演劇は他人の中からなにかを見つける」こうした環境に高校生・大学生の時から関われるなんて本当に羨ましい。高校生ですでに演劇と出会っていること、演劇がすぐ隣にあることがすごく羨ましいと思った。エデュケーションプログラムに参加する意義は大きい。是非、高校生・大学生たちには演劇に関わり続けてほしい。「トゥーランドット」・腰鼓を通じて私は高校生・大学生たちと出会い、稽古では紆余曲折を経て、本番では彼女らの“生き様”を観ることができた。価値あるものを観させてもらって嬉しい。みんなありがとう。

最後に、この野外劇を観て、心がすごく動かされたことを告白します。心がぐらぐら動いて溢れそうな涙を必死でこらえた。そんな体験をさせてくれる演劇が、発展することを望むと同時に、もっともっとたくさんの人に関わってほしいと思う。

「対極のチカラ」としての演劇を体感すること    創造演戯研究所 井上崇

2004年に横浜市高等学校演劇連盟の主催で始まったエデュケーションプログラム「トゥーランドット」、横浜での開催はついに4回目となった。
これはティーン向けの教育企画であるが、今回成果発表としての本公演は、一般観客を有料で動員するいわゆる興行形式で行われた。俳優たちの本稽古はたったの10日間。さまざまの準備期間があるとはいえ、一般的な演劇の稽古期間が40日程度(商業演劇など一部を除く)であることを考えると、驚異的・いや無謀とも思える企画である。

しかしながら観客の一人として見る限り、舞台は一定の水準を満たし、観客の心を満たすものであった。
毎回会場を変えて行われる「トゥーランドット」だが今回の舞台は横浜ビジネスパークの中にある「水のホール」という野外劇場である。直径35メートルほどの湖を挟んで、奥舞台から客席最前列の距離は45メートルに及ぶ。野外のため風もある。俳優の声が届くものだろうかと心配したが、それは杞憂に終わった。参加者たちの並々ならぬ気迫、のみならずこの10日間で獲得した身体の実に立脚した自信が見て取れる。

主催者であり、指導・演出にあたったルームルーデンスの田辺久弥氏は「真っ直ぐに立つ」「真っ直ぐに云う」ことを徹底して稽古したというが、これはまさに俳優としての基礎であると同時に、人としての美しい姿である。

人は美しくありたいと思う。美しい在り方に憧れを持つ。しかしそれを獲得するためにはある程度の訓練が必要であり、多くの弱い人間はこの訓練を受けることから逃避してしまうのだが、獲得することができれば、これは参加者本人にとって一生涯の財産となりうるものである。

同時に観客は美しいものに出会うために劇場に足を運ぶ。そしてそこで行われる美しいもの(=真っ直ぐなもの)を見たときに、感動が起こりカタルシス(浄化)を得る。子供であれ大人であれ「日常」という決して美しいだけでは歩むことができない日々の中で、その鬱積するものを浄化させるのは祝祭であり、その一つとして芸術と称される演劇がある。

芸術ないし演劇はこの日常(世界)の対極の力として作用し、バランスをとるために不可欠な活動である。わが国では近年各地で文化施設や自治体、市民による「市民演劇」「市民ミュージカル」がさかんに行われ、横浜市内においても枚挙あるが、これは決して「衣食足りて娯楽を求め」るだけのものではない。芸術という対極の力が強力に働かないと世界のバランスが壊れてしまうという、切迫した日常の反映である。

その中でもルームルーデンスのように、演劇団体が主体的かつ継続的に、教育活動としてティーンとの作品作りに取り組む例は、全国的にもまだ数えるほどしかない。これから世の中に出ようとしているティーンが、演劇活動の中にこの「対極の力」を発見し体感することは大変有意義であり、田辺氏を最初に横浜に招聘した横浜市高等学校演劇連盟の先進的な取り組みは注目に値する。

この「トゥーランドット」はすでに来年度、5回目の開催が計画されている。演劇団体と教育機関の協働がやさしくないことは想像に難くない。しかし今世紀の将来を見据えたとき、両者のたゆみない努力が今後とも続けられることを切に期待するのである。


磯部みなみ

私は、このエデュケーションプログラムに参加していることが本当に楽しかったです。この場所では10日間という短い間、いろいろなことを教わったり、悩んだり、気づいたりとたくさんのことを体感しました。私はこれほど充実した場所に居られたことを本当に幸運だと思います。

まず、舞台となるベリーニの丘に驚きました。ベリーニの丘の迫力がある形に驚き、水をはさんで立った時の人の小ささに驚き、夜のライトアップのきれいさに驚き、本当にこの空間の世界を変えることができるのだろうかという不安と、それ以上に、この空間で野外劇をすれば絶対にかっこいいすごいものができるに違いないという大きな期待を感じました。とてもわくわくし、このようなすばらしい機会に出会えて嬉しかったです。

本番までの稽古は、本当に濃い時間でした。まず今回の稽古場は、田辺さんと丹下さんと高橋さんの3人ものプロの方とともに練習する環境だったので、それだけで大変刺激的な場所でした。丹下さんや高橋さんは演技を見ているだけで発声や台詞まわしがすごいということはわかりますが、私たちが台本を読んでも分からないことや演技する上で重要なことをそれぞれの言葉でとても丁寧に教えてくださって、それを受けて「なるほど!」と納得できたときの嬉しさは本当に気持ちがよかったです。また、みんなで話し合いを何度も行い、それぞれの立場からの思いを聞くことによって、新しい見方を発見することもありました。私はいろいろな発見の嬉しさを体感しました。

私は今回、2回目の参加だったので、今回までの間、しばしば前回のエデュケーションプログラムで見つけた疑問や課題や印象深かったことなどを思い返しては、いろいろ考えるという時間がありました。そのためもあり、今回参加してより深く、それぞれの役のおもいや内容やプロの方のアドバイスを理解できたと思います。今までいろいろ考えていたことも活かして、前回とはまた違ったトゥーランドット役を演じるのが個人的な目標でした。実際に演じてみて、自分の課題の多さや表現することの難しさは改めて感じましたが、トゥーランドット役という一つのことを深く考え、じっくり長く付き合えたという経験は、私には人生の宝です。

それから、地域の方々が私たちの呼びかけに応えてくださったことがとても嬉しかったです。私は今回初めて、いろいろな商店や公共施設などの方にこの劇の宣伝や援助の協力をお願いする活動もしました。その時に私たちの話を快く聞いてくださり、「がんばって」と応援していただいた時に感じた嬉しさと気合は忘れません。

そして、スタッフの方々への感謝は書き表せないほどです。このエデュケーションプログラムが大人も子供もともに、どれだけ多くの人たちの力で成り立っているかを感じました。私は、メンバーやスタッフや地域の方々に出会い、人と関わっていく中で、嬉しい、楽しい、苦しい、悔しいなどいろいろなことを体で感じました。相手が生身の人間だから難しく、自分から動くには勇気がいると思いました。しかしだからこそ、理解し合えた時がとても嬉しく、そうなれることが面白いのだと思いました。

このエデュケーションプログラムは本当に貴重な経験だと思います。こんなにも多くの人と出会い、深く関わり合う機会はめったにないと思うからです。そして人と関わり合う事がこんなにも楽しいということが実感できると思うからです。私はこの企画に参加して本当によかったです。参加して、実感して、初めてわかる楽しさと達成感があります。この機会は逃したら絶対にもったいと思いました。

この企画が毎年、ずっと受け継がれて、多くの人が経験してほしいと心から思います。

西垣内日向子

長いようで短い二週間でした。いろんなことを発見して体験したこの「トゥーランドット」に参加できて、本当によかったです。

最初は自分の役である群集を演じるのが嫌でした。大勢で同じ事をするのはつまらない、と思ってました。でも実際練習していくと、つまらないどころか大変なことばかりで驚きの連続でした。同じ台詞を言うにもタイミングが合わないと何を言っているかわからなくなるし、自分が今何をするのかきちんと把握していないと全体の流れについていけなくなって結果的に周りの調子も乱してしまう。自分も周囲の人も、同じように大事にして稽古をしていかないと上手くいかない。でも他の群集の人の呼吸を感じて、それにピタリと自分の呼吸も合うとすごく気持ちよく演技ができるようになって、次第に群集を演じることが楽しくなっていきました。

もう一つの発見は、ある日の稽古で高橋さんが私達群衆の必死の懇願を笑ってあしらった時のことです。その時は今まで以上にカラフ(高橋さん)へ殺意を抱いた自分に対して、やっと劇に入り込めてきたんだなー、と思っていたんですが、稽古が終わってよく考えてみると、もっと重要なことに気付いたのです。私がカラフを激しく憎んだのは、高橋さんが殺意を抱かせるような演技をしてくれたからだ、と。相手の感情を引き出す演技、なんて頭では理解していても、いざ体験してみると私にとって大きな衝撃でした。同時に自分はなんて一人よがりな演技をしていたんだろう……と、とても反省しました。

田辺さんが稽古中に何度も「答えは相手の中にある」「自分が自分が、ではなく相手が相手が、で演技すべき」と仰っていましたが、その言葉が少し理解できた気がします。

暑い日差しのなか仕込みを終えて迎えた本番初日。緊張で震える足をごまかして会場を走り回って、腰鼓を叩いて、叫んで、北京の民になった一時間半。終わったあとは脱水症状で立てなくなってしまったけれど、心の中は満足感で一杯でした。
最終日は会場にも慣れ始めて、ふと見上げた空の高さに「この空間全てを私達は自由にできるんだ!」とわくわくしながら演じました。最後のカラフとトゥーランドット姫が抱き合うシーンでは心の底から嬉しくて嬉しくて、実は少し泣きそうでした。

言葉では上手く表現できませんが、本当にたくさんのことをこの企画で学びました。

観に来てくださった観客の皆様、田辺さんをはじめ私達を支えてくださったプロの方々、そして一緒に悩み成長した参加者の皆、全ての人にとても感謝しています。
ありがとうございました。

三森伸子

楽しかったぁー!とっても楽しかったです!トゥーランドットのおかげで私は『まっすぐ』『思ったとおり』が簡単で大変だと気付きました。

『まっすぐ』
まっすぐ立ってまっすぐ言ってまっすぐ届ける。何回やってもホントに届いているのか自信がありません。でもホントに届いたときは私も相手も気持ちいいんだということに気付きました。だからこれからいつもまっすぐいられるようにしたいです!

『思ったとおり』
まっすぐ届けるということも「届けよう!」という意志がなければ届かない。今まで私は自信がなくて「届くかなぁ」と思いながらやっていました。でも、それでは届かないのですね!それに気付いてから私は届くかどうかわからなくても、「絶対届ける!」という意志をもつようにしてます。

それから『こうなったからこうなる』ということ。それは田辺さん達から言われるととっても簡単でした。でも自分でそれを見つけるというのが今の私にはできません。それは台本にかかれているんだよなぁ。私はあまりたくさん台本を読まない人だったのでホントよくなかったなぁ…私はまた、台本を読むということがすごく大切なんだと感じました。

また、たくさんの人達とやっていく中で今までは傲慢だった自分が他の人を自然に尊敬できるようになりました!みなさんってホントすごいなぁ!!!私もみなさんのように素直にまっすぐになりたいです!

ところで、3日の公演が終わった後、私はいろんな人に『やっとぅ!』と言いながら抱きついたり叫びあったりなどしてました。後で、私は最初の意気込みに『めざせやっとぅ!』と書いていたことを思い出しました。意気込みは達成したんだ!やっとぅ!
今回のエデュケーションプログラムを通して、私は今、いつも頭で考えて行動してしまう人間だと気付きました。そしてそんな自分が『思ったとおり』に行動する人間に変わりたいと思いました!
また新しく変わった三森でトゥーランドットにでたいです!
みなさん、ありがとうございました!!!


中村美香子

私が「トゥーランドット2008」に参加したきっかけは、軽い成り行きでした。
石井先輩に紹介され、満足な説明も無いまま、何となく義務っぽかったから何となく先輩の後について行き。当初、私はこの企画が(いろんな意味で)すごいものだっていうのを分かっていませんでした。…参加しておけば良い経験になるだろうし、プロの方と共演するなんて滅多に出来ないことだし、面白そうだし…まぁ、とりあえずやっとこう。そんな軽い気持ちでした。

5月17日のワークショップ初日。集まったのは田辺さんも含め、たった4人でした。あれ?トゥーランドットって40人くらいでやる劇だって聞いたんですけど…?
期待と少しの不安を胸に、私のトゥーランドットは始まりました。

2008年のトゥーランドットをやるためだけに集まった人達。最初は10人足らずだったメンバーも、最終的には21人に。もちろん初めて会う人(話す人)ばかりです。人見知りするので上手くやってけるか心配でしたが、そんなのは杞憂でした。皆さんがとても親切で、すぐに溶け込むことが出来ました。

オーディションで、私は「ポン」の役を貰いました。全く自信が無かったので、名前を呼ばれたときは本当に驚きました。
「この3人で化学変化を起こせたら面白くなる」と、田辺さん。よーし、頑張って三森さん・折笠さんと化学変化起こすぞー!役が決まって断然ヤル気が出てきました。もちろん当初のような軽い気持ちではありません。

ポスター・チラシ作戦によってチームワークが培われてきた頃、とうとう本稽古が始まりました。ずっと楽しみにしていた反面、たった12日間で完成させられるのかという不安がありました。
そして早速、どうやって動いたらいいんだろう、どうしてこの台詞をここで言うの、という悩みにはまり込んでしまいました。
「簡単だって☆」得意の笑顔で田辺さんはおっしゃったけれど、「何処が簡単なんですか!?」といつも思ってました。で、思ったとおりになりました。
気持ちが具体的に定まらないから、動作も具体にならない。
なかなか動けないピンポンパンに、プロの方々が動きをつけて下さいました。特に、高橋さんの「はらわた」案は、動きをつくる上で大きな助けになりました。小道具を一つ加えるだけで、どんどんアイディアが出てくるなんて…プロって、スゴイなぁ!
感心してばっかりでした。そして、少し悔しかったです。人にやってもらわないと動けない自分たち…。

稽古が終わりに近づいても、中々悩むのを止められませんでした。2幕1場はまとまらないし、段取りに気をとられっぱなしだし、声は枯れるし、舞台は広すぎるし…。すごく焦って、不安で仕方ありませんでした。

本番直前、皆で肩を組みました。「ニャーッ!」て叫びました。そしたら不思議なことに、やれる気がしてきました。ズルズル引きずってた不安も消えました。
本番は、あっという間に終わりました。そして終わったあとの何ともいえない達成感。
舞台の上で、私は心の底からカラフを憎みました。命が救われたことに喜びました。リューに対して残忍な気持ちになり、そして彼女の死に圧倒されました。最後に姫とカラフがに抱き合ったとき、心底嬉しい気持ちになりました。…私はあの時、ポンだったんだって思います。

オープンになれクローズするな、答えは自分の中になんて絶ッッ対無いんだから、他人の中にあるんだから。台本に全部書いてあるよ。抽象じゃなくて具体にしろ。悩むな考えるな、止めるな、お客さんは考えじゃなくて想いを見に来るんだから…
何度もなんども、田辺さんがおっしゃいました。言う度に少々言葉は違うものの、同じ意味の言葉を何度言われたことか。特に他人との関係については100回くらい言われた気がします。
聞いてる時は、はっきり言ってあんまり理解できてませんでした。でも、今は自信を持って「その通りですね」って言えます。
他人がアドバイスをくれたから、他人が励ましてくれたから、12日間の稽古を続けられました。本番中、他人の動きがあったからそれに私は反応したし、他人の想いが出てきたから、私も想いを出せました。
他人との関わりがあって、私は舞台に存在できました。それは日常生活でも同じことなんだと思います。

役者の想いがお客さんに届いて、それがお客さんから役者に返ってくること。これが演劇…これまた田辺さんの名言です。
もちろんお客さんも他人です。他人に想いが伝わらなきゃ意味が無い。そして、ちゃんと伝わったと思っています。

最後に、この企画に参加できて「良かった」という言葉では表せないくらい良かったと思います。こんなにも素晴らしい経験を高校生のうちに出来るなんて、私はとても幸せ者です。そして、もっと多くの人にこの経験を味わってもらいたいです。
  「トゥーランドット」に関わって下さった全ての方々、本当にありがとうございました。そしてこれからも宜しくお願いします。

折笠瑞季

え〜、トゥーランドットが終わって一週間…
終わった瞬間は実感がありませんでした。まだ直後は疲れていたり、片付けでゴタゴタしていたからですかね(笑)
トゥーランドットをやる前と後ですが、私は結構変わりました…と思います。

とりあえず、前より人の目を見るようになりましたね。正直あまり人の目を見て話す事が無意識にできていなかったのですが、稽古中気持ちを伝えるにはその相手の目を見なければ伝わらない。つまり日常でできていなかったので、意識して目を見ている内に自分の思いを相手に伝えるというのはこういう事か!!とすごく"腑に落ち"ました!今更って感じですけど、すごく時間がかかりましたけど、初めての演技の稽古でこれは自分の中ですごく大切な事だと思っています。

あと、今日途中ですが、WOWOWでやっていたトゥーランドットを少し見たんですよ。
当然の事なんですが…違いますね。なんか、まぁ、舞台セットやキャストは別として、雰囲気がやっぱり違いますね。なんか、テレビで見たトゥーランドットは人数も多くて人物も多くて色とりどりな感じて見ていて楽しかったですが、私たちのトゥーランドットは人数が少ないながらもその人数でできる演出で…うーむ、分かりづらくなりますが、色が少なくてもそれを混ぜてできた色を使って描くみたいな…アレ?結局同じようですよね。

ようは…うむぅ…限られた中でもその中でどれだけ輝けたか?ですよ!!私達は豪華な舞台セットや衣装や多大な人数がすべて揃っていなくても、あんなにできた。それはそれぞれの力をお互いが引きだし合ったり、反応させあう事でそれ以上の物を作る事ができたんですよ…ね?はい!

私はこのトゥーランドットを通して"演じる"事がどういう事か、相手に気持ちを伝えるという事を教えていただいてすごく感謝しています。
そして、来年のトゥーランドットもこれを教訓に参加したいと思っています。うふふ…

石井大海

がトゥーランドットに参加するのは、昨年に引き続き二回目です。昨年の平沼高校でのプレ公演・Baysideコンテナ劇場での公演を別個のものと数えれば、三回目になります。前回はティムール→ペルシャの王子(余談ですが、ペルシャの王子が冒頭にやったのは疑似"落語"であって"一人漫才"ではない)を演じましたが、今回は群集での挑戦でした。

それで、この群集の楽しいこと楽しいこと。群集楽しそうだなぁ、とは前々から思っていたのですが、それは漠然とした『楽しいのだろう』という推測であって、実感を伴っていなかった訳です。オーディションで群集になったときも、『役付きじゃないのか……』みたいな感情もどこかに有った事は事実です。ところが、稽古に突入して、そんな感情はどっかにブッ飛んでしまいました。予想以上の"喜び"や"宝物"がそこには埋まっていました。
演劇は、他人を見ていなくては出来ません。去年も田辺さんの『答えは"わたし"ではなく"あなた"の中にある』と云う言葉を、分かっているつもりでした。ただ、それは頭で分かっているのであって、身体で解っている訳ではありませんでした。去年の稽古場には、自分の事で手一杯な私が居ました。

それが今年、群集をやって漸く腑に落ちた気がします。一つの演劇を創る、と云うのは共同作業です。"群集"は、上手く云えませんが、更に露骨に共同作業です。元来、どの役についても『あなた』への視線を忘れた芝居なんて出来ない筈なのですが、『群集』は始めから意識せざるを得ません。他人を良く見て、心を一にして取り組まないと、群集なんて見るからにバラバラです。やって行く内に、自ずと他人を見る様になっていました。田辺さんが、『トゥーランドット』を選んだ理由が、今更になってわかって来た様な気がします。

みんなで想像上のピンポン(パン)玉を浮かせるのも、去年は足を引っ張ってばかりで周りが見えていませんでしたが、今年は周囲の事にアンテナを張って取り組むことが出来たのではないか……と思います。
それだけに、ピンポン玉が途中で見えなくなったり、落として仕舞ったりしたときはとても悲しかった。逆に、ぐんぐん来てるゾ、と云うのが分かったときには自然に笑顔になりました。

勿論、完璧だった訳ではありません。妙なところクローズにしてしまってみんなに迷惑を掛けてしまったことも何度かありました。馬鹿なのでそういう時はズヮォーンと落ち込んで仕舞うんですが、何とかその後で挽回しようと頑張れていたと思います。

今回の公演では、昨年と違ってみんなで稽古日誌をブログにアップしていました(http://eturandot.blog116.fc2.com/)。これが存外に面白い企画だったなぁ、と手前味噌ですが思っています。
この人はこんな風に感じたんだなぁ、などなど、おもいがけない発見をする事が良くありました。又、過去のから読み返していくと、自分やみんながどんどん成長していったのが良く解ります。この日誌にも、一つの『演劇』があったと思います。

今回のキーワードは『成長』『オープンになること』だったと思います。特に後者は、田辺さんが口を酸っぱくして云っていることでした。今回のメンバーは中々みんなオープンになり切れなくて、本番の前日迄ドタバタしていました。でも、最終的には全員で突き抜けることが出来ました。
いつの間にか凄く声が出る様になった人も居れば、感情をオープンに出来る様になった人も居り、稽古前の準備段階ではハードなポスター貼りに音を上げていた人が、バラしに怪我を押してでも参加しようとしたり――この高々十日間+αの稽古で、みんな急速に変わっていきました。これは、一つの、いや、沢山の奇跡として何と云うのでしょうか。

勿論、全てを出し切れたかと云うと、未だ先があったのではないかとは思います。でも、僕は、去年よりも鮮明に紫禁城が眼前に広がる様を観ることが出来ました。
楽日の公演は特に凄まじく、リューの死の場面、今まで演劇をやってきて体験した事の無い、もの凄い感覚に襲われました。そうなんだ、これがその瞬間に生きるっていうことなんだ!みんなも一様にその感覚に捉われていた様です。

本当に、今回の公演では沢山の宝物に気付くことが出来ました。それは他人の何気ない行動であったり、言葉であったり、空気であったり。宝物に気付く、と云うよりは、宝物に気付いている自分に気付く、と云った方が良いのかもしれません。

何だか無節操に長くなってしまいました。まだまだ書き足りない事とても沢山ありますが、この辺りで失礼させて頂こうと思います。

トゥーランドットは、この先十年、二十年と受け継がれて行くべき企画だと思います。去年より今年多くを発見出来た様に、参加する度にまた新たな発見がある。それがこのトゥーランドットだと思います。田辺さんは何やらトンでもないことを企んでいる様で、この先のトゥーランドット、どうなっていくことやら……全く楽しみです。

この『事件』の継続と更なる発展を願って!みなさんに栄光あれ!

田中夢実

なんだか「トゥーランドット」、あっという間に終わってしまいました。

登場人物とか話の内容を知らなかった私は最初群衆の一人として頑張ろうと思ってたんですけど、リューという女の子が居るのを知って、この役をやりたいとすごく思ったのでリューのオーディションを受けました。

普段生きていて、何年も、たった一人の男の存在を支えに必死で生きたり、愛のために、たった一人の男のために命を捧げる事なんて滅多に無いし、多分私には経験することが無いです。
でも、リューはそれが普通に出来てしまうんです。私はこの子に惹かれてしまい、愛に命を懸けれるようなこの子をやりたくなってしまったのです。

でもやっぱり、普段の私からはかけ離れているのでわからない所もいろいろありました。

そんなときに田辺さんや丹下さんや高橋さんが、リューは今こんな気持ちだから、そうじゃなくてこんな風に動くはずだよ?とか、今この人物はこんな風に思ってるからこうやって動いてるんだよ、と教えてくださったので、自分が持っている気持ちと、自分の行動の矛盾がわかって、気持ち通りの演技が出来たりしました。

声が聞こえなかったら人に自分の気持ちを伝えられません。なのに最初の頃の私の声は、とても演劇が出来るモノではありませんでした。
でも、プロの方達がわかりやすく声の出し方を教えてくださったので、最初の頃よりは全然声が出せるようになりました!

こんな感じでこのエデュケーションプログラムで最初に書いた「トゥーランドットで得たい物」を無事、手に入れることが出来ました!

プロの方達と演劇が出来る機会なんてそう無い!と思って、今回「トゥーランドット」に参加して良かったです!

それと、別に最初、期待していなかった素晴らしいものも得ることが出来ました。
それは「仲間」です!
私は人見知りが相当激しいので、普段の人間関係以外の人間関係にはそんなに興味が無かったのですが、このエデュケーションプログラムで知り合った人達はみんな、私にとってとてもいい仲間になりました!

それも含めて、このエデュケーションプログラムに参加して良かったとすごく思います。
本当にありがとうございました!

相澤真梨

さて、トゥーランドット2008の公演も終わり、残すは打ち上げのみとなりましたがみなさんいかがお過ごしでしょうか。
ちなみに私は部活に励みつつ、ぐーたらした日々を送っております(笑)
たまにはベリーニにでも行こうかな(*^_^*)

置いといて。

トゥーランドットを中心にした生活を二週間(意外と短かったなぁ)送っていたにしては冷めるのは早い気がします(-_-;)…もう頭の中で腰鼓がドンパードンパーって言わなくなってきました。あっという間に自分の心からトゥーランドットが離れていくのはなんだか寂しいです(^^;)だってあんなに毎日トゥーランドット、トゥーランドット、トゥーランドットだったのに、もう私の中心は部活にあります(・・;

結局私、最後までまともに腰鼓叩けなかったんです。叩けるようになりたかったのですが出来るようになれずに終わってしまいました(>_<)もっと家でも練習すればよかったと後悔してます。それだけで出来るようになったかはわからないですが、もっとすっきりしていたかもしれないです。温先生に言われたように振りだけでもしっかりやったつもりですが出来ていたのかはわからないです(-.-;)叩いてないのはバレバレだったようです(あーあ)。いや、そんなことはもう気にしない方向で(おいおい)。終わったことはしょうがないですよね(^-^)

腰鼓を通じて中国の国民性(・・?というものを知り、中国に少し興味を持ちました。機会があったら勉強しようかなーとか(*'-')

群衆をやってみて、全員で気持ちを一つにする難しさを感じました。台詞が合わないのも動きが合わないのも気持ちが一つにならないからですよね?
腰鼓でも同じで私には一つ一つの動きよりもこれが一番難しく感じました。話し合うってすごく大切なことだったなぁーとあのときを振り返り、思っています。

そして最後まで語頭がしっかり入らなかったです…あらら。
このトゥーランドットというエデュケーションプログラムを通していろいろな人からいろいろな事、いろいろな考え方を学びました。そして私の中で演劇という世界がずっと広く、ずっと深くなりました。普段関わることのない人たちとこのようにふれあうことができたのもよかったと思っています(演劇とは別のつながりもできましたし)。

この二週間で人の輪がぐっと広がりました。このエデュケーションプログラムで得たものはこれからも大切にしていき、様々な場面で活かしていこうと思います。そしたら来年はもっとちゃんと文章が書けるようになっていて、締め切りギリギリに原稿出すなんてことはしないそんな先輩でいけたらいいなぁ…(天地がひっくり返んないと無理だろうけど)なんて(o^_^o)
やっぱり学んだことや感じたことは多かったですが何より楽しかったです!来年も出来ればまた参加したいと思います。

太田舞

中二の時、家族と一緒に桜陽版「トゥーランドット」をみました。

今その桜陽が自分の学校なのですが、今思えばあんな小さなところがスゴく大きくみえて、あんなに迫力があって…

いや小さく見えたのは多分、2008私たちが公演をした「ベリーニ」をみたからだと思う。
本当に大きな場所…家の近所でしたが意識してなかったけど、こんな大きな場所でやれるのか?自分たちに出来るのか?という思いが生まれた。

時間は過ぎていき、五月の初め頃携帯が鳴った。
それは昨年の「トゥーランドット」参加者の江頭先輩からのメール。
久々の先輩からのメールでどうしたのだろうと思い画面をみるとトゥーランドットに参加しませんか?との事。
中二の時に観たあの劇に参加する事が出来るんだ!!スゴい!やりたい!!と思い返信をした―

そしてワークショップの時初めて田辺さんと出会い、顔合わせがあって、オーディション、ポスター・ビラ配り、稽古、…本番といき、なんとプロの俳優の高橋さん、丹下さんと一緒にやるというのを聞きわくわくした。

高橋さんはオーディションの時も来てくださり、プロはこういうものなんだと思った。
…いや感じました。
自分がこうすると相手がこう返してくる。凄く衝撃を受けました。
口が震える…でもとにかくオモイをぶつけようとした。

ワークショップの時、真っ直ぐ立つというのがどういう事なのかというのをやり、感覚がなかなか掴めなかったけど、稽古をやっていくうちに「お、これかな?…これか!」と感覚を掴んでいった。

稽古ではなかなかオープンになれない自分がいた。もっとオープンになろうよ!!と思ってたり、みなと総合の温先生に腰鼓という太鼓を教えて頂いたり。
でも台詞と太鼓を同時にやる…最初は難しいのかなと思ってたが、腰鼓の楽しさがわかって、それと同時に自分もオープンになっていきどんどんトゥーランドットの中に入って行った。
そして仕込み、二日間の本番…。
初日が終わったあと全員で円になって、今回名もなき王子を演じる高橋さんの言葉を聞いた。
私は途中で帰ってしまいましたが…まだまだなんだと…。
「…悔しい」「仲間だろう」という高橋さんの言葉が響き泣いた。
「泣いてもいいからクローズしない」と言った田辺さんの言葉を思い出し思い切り泣いた。
泣きながら思った…
悔しいままでなんか終わらせたくない!!明日は今日以上に、いやそれ以上に思い切りやるぞ!と気合いを入れ落日となった。

「演劇は一期一会」と言った田辺さんの言葉。
本当にそうだ。
2008野外劇トゥーランドットメンバーとの「トゥーランドット」はもう出来ない…。

私にとってあの一瞬一瞬は掛け替えのないものだと胸を張って言える。
この夏は自分にとって大切で大きなことを学んだと思う。本当に。

田辺さん、高橋さん、丹下さん、2008のトゥーランドットメンバー、スタッフの皆様、トゥーランドットに関わった皆様、本当にありがとうございました!
これが終わりなんじゃない、始まりなんだ!!
私達のトゥーランドットはこれから…

2009トゥーランドット 始動!!

佐々木 崇人

早いもので、ベリーニでの公演が終わってから既に一週間が経過しようとしている。
思えばあっという間だった。
出会ったと思ったら別れ、また出会い、そしてまた別れ。目まぐるしい動きの中で、様々な人と紡ぎ合ったトゥーランドットは気づいたらもう過去の思い出になってしまった。
不思議なものだ。
毎日繰り返されたあの騒ぎが、懐かしく感じる。今になって、あの場所にはもう戻れない場所になったことに、私の人生の中であまりにも大きな割合を占めていたことに、今になって気付く。遅い気もするが。
しかし、時は戻せないもの。現在という時間も一瞬後には過去になる。
過去に戻れないのは、私たちが歩いてきた証。それはとても素敵なことなのだろう。
そして私たちは今この瞬間から、出会い、別れ、そしてまた出会い、手に手を取って来年のトゥーランドットへと歩き始めている。

まるで誰かの詩を模倣したみたいな気持ち悪い文しか書けなくて申し訳ありません。思ったことを書いたらこうなりました。これも一つの活動報告だと思いたい。
最後になりますが、この芝居に関わった皆さん、本当にありがとうございました。
出会いあれば別れあり、そして別れあればこそ次の出会いがあり。またいつかどこかでお会いしましょう。

この芝居に関わった全ての方に、栄光あれ!

神村 健太郎

私にとって演劇とは、初めての連続でした。偶然が重なったのか、はたまた必然か。
ひょんなことから参加させていただいた身ではありますが、非常に多くのものを得た経験であったと思います。

初めて皆さんとお会いしたポスター貼り、初めての稽古、初めてのメイクに、初めての公演。
見るもの全てが、すること全てが新鮮で、ここまで充実した二週間は滅多にないだろうと思わせるものでした。

今になってこの二週間を思い返すと、初めての稽古のとき、全体で読み合わせをしたことを強く覚えています。
私は稽古初日に台本を渡され、昨年度以前の公演も拝見していなかったので、ちょうどその時が私にとっての初トゥーランドットでした。

「私達はこれをやるのか!」

これが、初めてトゥーランドットに触れたときの感想です。
セリフが多いな、とか動きが多そうだな、とか「私に出来るだろうか?」という意味もありましたが、
なにより私の胸に去来したのは、この壮大な愛の物語「トゥーランドット」という一つの世界を作り上げていくことへの畏怖とも呼べる感情でした。
演劇という深遠をわずかな小窓から覗き見てしまった私は、改めてこのプログラムに向かう決意を固めたのです。

その日からの稽古はひたすら体当たりでした。
テクニックも何もない私は、教えを請い、必死に、時にはまごつきながらも、手探りで進んでいくしかありませんでした。
こんな私がこの素晴らしい公演を迎えることができたのは、ひとえに皆さんの助けがあったからに他ならないと思います。
太鼓でつまづいたとき、群衆での動きに付いていけなくなってしまったとき、体力的にも疲れてしまったとき、
みんなの足を引っ張ってしまったかもしれませんが、だからこそ私はなんとかやってこれました。
二週間、足を引っ張ってしまってごめんなさい。そして、私を見捨てずに足を引っ張らせてくれてありがとう。
みなさんの足は、とても立派で、頼れる足でした。舞台での私は、みなさんのような立派な足できちんと立っていられたでしょうか?

また、この二週間、特に田辺さんからは様々なことを教わりました。
「わたしわたし」ではなく「あなたあなた」で、アクションとリアクション、斜に構えない……
これらは全て演劇だけではなく、人生全てに繋がることだと受け止めました。
言われれば、確かになるほど、とうなずけます。かえって核の部分を取り出したら、当たり前のことかもしれない。
でも、私は一体どれだけこれらを実践できていたでしょうか。どれだけ「当たり前」を自分のものに出来ていたでしょうか。
田辺さんのまっすぐな言葉は、ともすれば本質的なことから目を背けていた私の心を貫いたのです。
一期一会、オープンにする、「まっすぐ」でいる……
前から「知ってる」言葉ですが、今の私にはもはや、以前のように聞こえることはないでしょう。
いや、むしろ、みんなと捨て身でぶつかり合って、一回だけのステージで一回だけのお客さんと向かい合って、
やっと私はこれらの言葉を本当に「知る」ことが出来たのだと思います。

舞台が終わって「気持ちよかった!」という気持ちや、逆に「もっとああすれば良かった」という自省の念も出てきます。
ですが、やはり今あふれ出すのはみんなへの感謝の気持ち。
演者、スタッフ、お客さん、関係者など全ての人たちに対して「ありがとう」と言いたい気持ちでいっぱいです。
みなさん、本当にありがとうございました!!

一本の電話で人生が変わることもあるんですね。夜中の電話、ありがとう皇帝陛下。

折笠紫織

トゥーランドットは私にとって初演劇でした。演劇に興味はあったのですが、今まで演劇をやったことがなかった私は最初の本稽古の時、不安で一杯でした。
群衆は腰鼓をやったり本番では走り回ったり、とにかく動くことが多く、また、カラフを批判したり味方をしたり…群衆のセリフの意味や気持がわからない部分がありました。

最初は人見知りをして中々話すことができませんでしたが稽古をしていくうちによく話せるようになり、みんなで腰鼓の分からない部分や群衆の気持ちを話し合うようになりました!!

それでも私は田辺さんの言う「オープン」になることができず、自分自身とても悔しかったです。でも、最後の最後は、みんなも私も「オープン」になれたと思います。もっと早くになれていたら、自分が更に気持ち良くて楽しい演劇が出来ていたのではないかな、という思いは少しありますが後悔は一切ありません。
腰鼓は練習した動きをお互いに見合って悪い部分を指摘し、直していきました。悠さんとみんなで作り上げた腰鼓はお客さんに見てもらうのが楽しみで仕方がなかったです。でも実際にベリーニでやってみると手元に気を取られて目線が下を向いてしまったり、表情が堅くなってしまったり…本番では意識しながらやったのですが、中途半端に、自分は完璧だ!!と思えないまま本番を迎えてしまったのが、今でも少し悔しいです。

本番では群衆の1人として夢中で演劇をしました。演劇…というより、自分自身北京の群衆になっていました(笑)
本番中は時間が信じられない位早く進んで、始まったと思ったらカラフとトゥーランドットを祝福する場面になっていて…という具合で、本番の2日間が本当に短かったです。

最後、カラフとトゥーランドットを祝福している時やみんなで並んで挨拶をした時に、演劇ってこんなに楽しい物なんだ…!!と心から思い、感じることができました!!それと同時に、このメンバーでトゥーランドットをするのはこれで最後なんだと思い、私は少し寂しくて泣きそうになりました…。でも、またやりたくなる程、寂しくなる程私にとってもみんなにとっても、トゥーランドットは大切な物になったんだと思います!!

今年の夏、みんなに出会って演劇をして…今まで経験したことのなかった思い、感動をトゥーランドットは私に与えてくれました。みんなで演劇をして、かけがえのない物を作れたことが何よりも嬉しくて、大切な思い出です。
またこのメンバーで一緒に演劇をして、一つの物を作り上げましょうね!!(≧▽≦)ゞやっとぅ♪

松本あや

12回の練習を終え、そして2回の本番も無事終了しました。

前日の仕込みから変な緊張感がずっと体を支配していました。仕込みのために走り回ると、前日になって改めてベリーニの広さにちょっとビビりました。明日はここを松本としてでなく、北京の民として走り回るんだなぁ…としみじみ感じたりして。もう体力うんぬんでなくて気力だな、なんて。
腰鼓を初めてベリーニでやって、バームクーヘンロードの魔力に翻弄されました・笑
あの道の上だとまっすぐ並べてるのか自分がまっすぐ客席の方に向けているのかすごくわかりにくい。場あたりでめちゃ苦労しましたorz
また段取りや「あの場所に行かなきゃ・」てことに気をとられて思いを込めれてないことに気づきました…。あんだけ田辺さんからお話聞いてんのに馬鹿自分、とか考えてましたが、今思うと前日でそれに気づけて本当に良かったです・・
フラットとボックスが結構離れてるので声大丈夫なかぁて思ってましたが、フラットの声バンバン聞こえますね流石です。でもボックスからフラット(客席)へは、人数が多いから声量はありますがだからこそタイミングが大事、難しいんだぜ〜でも一番大事なのは気持ち!
通し練が前日は一幕しかできなかったんですよねぇ…。正直、すっごい不安でした。二幕の側近も場所確認とかタイミングとか把握したかったし、三幕も…。もっとあそこをキビキビ動いたら時間作れたなぁとか帰り道は脳内反省会でした。反省会するなら実行しろあたし!!

そして当日〜

泣いても笑っても本番!!! 緊張通り越して変なテンションでした。自分を見失いそうになったり…おいおいorz
なんか、メイクが今までで一番早くかつ上手にできました 笑
途中マイキー先輩が熱にやられて倒れたり…そのとき、1人も欠けちゃだめなんだ、代わりなんてどこにもいないんだ・と気持ちが引き締まりました。もちろん、マイキー先輩を心配しつつ!!!
んで本番〜うん、今までしたことないミスやらかしましたorz
前説みなさんノって下さいましたよー笑-
うれしかった〜捨て身で頑張ったかいがありましたよー
公演が終わった後、部活の先輩や学校の友達に「スゴかった・」「感動した・」て言ってもらえました・めちゃくちゃ嬉しかった
「群集一番大変そうだったね」て言ってくれた友達がいたんですが、なんだか違和感を感じました!その時は興奮状態で分かんなかったんですけど、頭が冷えて考え直すと違和感の原因が分かりました。別に群集が一番大変なんじゃないもの・みんな大変なんだもの・見た目群集走り回ってたから大変そうに見えたんですかねぇ。一番とかないですよね、みんなそれぞれの悩みとか苦しみとかあるし、まずジャンルが違うと思うんですよね、「大変」の。
とにかく楽しかったです!本当に・腰鼓のときとか自然と笑みがこぼれるくらい・自分でもびっくりしました。だって、前日まで不安でいっぱいで…でもいざ本番となると楽しんでる自分がいるんですよね 人間の心理て不思議・笑
その夜、なんか寝れなくてずっと場あたりしてる夢見ました・笑
夢なのに起きてるみたいでほとんど寝れませんでした…笑

公演2日目

1回公演やってるからか、少し余裕が生まれました。このメンバーでできるのも今日が最後かぁ…とか色々考えてたらちょっと切なくなりました。だからこそ思いをぶつけなきゃ 今やらずにいつやんねんッて。
公演ついにはじまって、なんか完全に北京の民になれてましたよ
んで、リューの葬列で号泣してました・
んで、姫様のライスシャワーではもう素で喜んでました・・
北京の民でしたね〜
2日連続で来てくださった人がいてスッゴく嬉しかったです〜ラストシーンで泣いてるお客様がいらっしゃって、「思い伝わったんや・」て思ってこっそり喜んでました・


このトゥーランドットに参加して、本当に10回近くの練習で完成できたことに今更驚いてます。これってスゴいことなんじゃ…笑
今回学んだことで大きなことは、「私私でなくて貴方貴方」ですね。
これはもしかしたら当たり前のことかもしれません。でも、それの大切さと、出来てなかった自分を発見しました。
なんだか、文書化できないくらいこの10日間+αで学んだことや感じたことはたくさんあります・本当に文字にするのは難しいけど、これだけ言えます。
トゥーランドット最高〜〜

来年も絶対参加します・2008、お疲れ様でした・2009でもよろしくお願いします・

日當乃愛

私がこの『トゥーランドット』を通して気付かせてもらったのは演劇の楽しさです。

友達の誘いでやる事を決めたのですが、最初は人数が少ないからお手伝い程度で入れたらいいなぁ…とそんなにノリ気ではありませんでした。
台本を見せてもらって最初に思ったのは(え、セリフ多っ!?)です。
ぶっちゃけ10日で覚えられるかといえば自信ありげに「無理です!」と言えるくらい…それに本番である3日には去年から入っていた用事が…
そんな不安をもちながら本稽古へ。

本稽古2日目、自分はこんな気持ちでは参加出来ない
思ったよりスケールがでかくてプレッシャーに押し潰されて姿形が無くなるくらいまで。
多分その時に前の私は無くなってしまいました。
今なら押し潰されてる自分を鼻で笑えますwうふふw

なんやかんやあり
光陰矢の如し。

本番をお出迎えに。
朝から興奮気味で手がガタガタ
嬉しさと不安の変な感情に
気が付いたら終わってて。

最初に書いたように私はこの劇で自分が本当に演劇が好きで、劇の事を考えただけでドキドキしてしまう。

簡単に表せば劇に恋してしまったのです(*´∀`*)

ありがとう田辺さん、一緒に劇をした皆さん、お手伝いさんにトゥーランドット。

福永彩人

10日間の練習で本当に台詞覚えられるか、また、どれだけの作品になるか、等々いろいろと心配になりましたが、本稽古が始まったらそんな事は言ってられなくなりました。

やっべ、楽しい!

稽古場はいつも笑いが絶えず、心から稽古が楽しいと思えました。
8/1の仕込みで、改めてベリーニの大きさを痛感。俺達はこんな凄まじい場所でやろうとしてるのか。
そして、ついに来た8/2、本番初日。この日、炎天下で行われたゲネの時、2幕2場で俺見えました、紫禁城の大階段が、ハッキリと!!北京が一歩近づいたぜ、いえい!…でも、本番はちょっと納得いかなかった…悔しいーーッ!!
8/3日、前日の思いを胸に、リベンジ!俺達には、この劇を最高の物にする義務がある。本番直前、みんなで円陣組んだ。「みんないくぞ〜!トゥー「にゃん」ドットぉぉーーーーー!!」普通だったらずっこける所なのに、俺達なら出来る!という強い気持ちが湧き上がって来た。この勝負、絶対勝ってみせる!……大勝利だった。参加して良かった、参加して大正解だった、と思えた。
スタッフの皆様、役者の皆様、見に来て下さった皆様、そして田辺さん、本当にありがとう御座いました!
あ゛〜、皆さんにもこの素晴らしい感動を味わって欲しい…!では、ペルシャの王子こと福永の報告書を終わります。

田中智之

本番を含めて14日間、長いようで短かったです。
初めて読み合わせをした時、ヤバい〓みんなの足を引っ張ってしまう〓とすごく不安でしたが、なんとか最後までやりきることが出来ました〓
反省点等、多々ありますが自分のレベルは確実に上がったと思います。あとは上がったレベルを下げないよう学校での稽古に励みます〓

この劇で初めて群集という役をやりました。この役は他の役以上に周りを感じ、自分をオープンにして、他の群集と息を合わせていかなければならないんだなあ〜と感じました。でも息が合うととても気持ちよくてかっこいい役だなぁ〜と思いました。来年も是非群集をやりたいと思いました。

様々な事を教えて下さった田辺さん、高橋さん、丹下さん、腰鼓の指導を熱心にして下さった温先生、音響や照明として一緒に演じて下さった三國さん、笠原さん、お手伝いに来て下さった皆さん、協力して下さった商店の方々、場所を提供して下さった野村不動産、一緒に演技をした役者の方々、とても楽しく、充実した日々でした。
ありがとうございます
<(_ _)>

足立理英子

私が演劇を続けてきた理由はただなんとなく、楽しいから、でした。
トゥーランドットに参加しようと思ったのも、先輩が「いい経験になると思うよ」と言っていたし、面白そうだから、っていうのが強かったように思います。

でも、ワークショップまでは楽しかったけど、本稽古に入ってからは正直、悔しい、とかそういう気持ちの方が強かったように思います。
うまく表現できない自分が悔しい。
みんなすごい色々考えてるのに、なんか私だけ空回ってる気がする。悔しい。
初めてでした。こんなに悔しいとか思ったのは。
今までそんなに物事に執着したことがないから、ちょっとびっくりしました。

けれど、この悔しいっていう気持ちは、田辺さんがよく言う、「まっすぐ」から外れている気がしました。
なんか、気持ちが曲がってる気がしたのです。
私は「まっすぐ立つ」のが苦手だから、気持ちはまっすぐでありたいと思っていました。
でも、悔しいっていう気持ちは湧いてきちゃうんだから仕方なくて、なんかよくわかんなくなって、ある人に相談しました。私の最も尊敬する、書道の師範に。
師範は、「それが素直なあなたの感情だからいいのよ」と言って下さいました。
ちょっと道が開けた気がしました。
結局、まっすぐ立つのは最後までうまくできなかったけど、気持ちもまっすぐ相手に投げられたかわかんないけど、「まっすぐ」の意味をちょっと理解できた気がします。

私はこれからもまっすぐ生きていきたいです。
まっすぐ生きる人はかっこいい。まっすぐな人の演技は思わず見いってしまう。
まっすぐっていいことずくめなんだと思います。

最初は「面白そう」だから参加したトゥーランドットで、私はすごく沢山のことを学んだと思います。
今は本番が終わった達成感と消失感でいっぱいですが……。
演劇の見方も変わったし、何よりスタッフさんの素晴らしさを知りました。
これからの課題は今回吸収したことをどう活かしていくか、ということです。